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愛おしい横顔。

一緒にいた女の人は、おそらく画廊のオーナーさん?か関係者の人だったみたいだ。
そのまま帰っていった。

そして"くまさん。"がこっち向いて近づいてきたんだ。


「このまま歩きながらでいい?」


「あぁ…いいよ」
そっか、立ち止まって話したくないんだ。早く帰りたいって思ってんだ。面倒くさく感じているんだ。そうか…


並んで歩いたものの、ただ無言のままで時間が過ぎていく。
一分一秒も無駄にしたくないのに、いろいろ考えてしまった。
もう飛び出してきたからには腹をくくったつもりだったのに、目の前にするとビビってしまう。


言おう、言おうと何度も彼の方を向いては言葉が出なくて。
もういい加減にしなきゃって思った時に彼がようやっと口を開いた。


「いいたい事はなんとなく伝わったよ。でもさ、俺にどうしろって言うの?俺は君に何もしてあげられない。」


そうきたか…

かなり厳しい言葉を突きつけられて、さてあたしどうしよう。
どんな事から話していけばいいのか分からなかったから、彼が話してくれてよかったと言えばよかったかもしれない。
こらえていた涙も高ぶる気持ちも一気にさめた。

「そうだよね、嫌な思いをさせてしまったらごめん。でもあのまま帰るの事が出来なかった。話す事がまだあったから戻ってきたんだよ」

彼は困った顔をしてあたしの顔を見た。


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SAY YES!

あたしは走った。

カメラがどこかにあるんじゃないか?バックミュージックが流れているんじゃないか?と思うほど、その時の空気があまりにクサい恋愛?青春ドラマのようだった。

と言っても、お願いだからまだいてくれ…って必死だったんだけどね。

でも絶対に会えると思っていたし、今はあたしの方に風が吹いている!そうこの時は思ったんだ。

予想以上に速かったみたいで、気づけば目の前にさっき泣き崩れた道が広がり、画廊の中もまだ明かりがついていた。


「よかった、間に合った…」


そして息を整えているうちに中の電気が消え、しばらくして女の人が出てきた。
何かを話している。
ぱっと後ろに目を向けると"くまさん。"だった。


気まずい…。


あたしは大泣きした後だったから、顔は冷静に装っていたけど完全に泣き顔だった。
そんな顔して必死なオーラ出して待っていたら、誰だって彼と何かある子なんだってわかってしまう。それに気づいて話す彼の顔を見るのも辛い。
でも仕方ないじゃん!もうここまで来たら開き直ったが、その女の人は誰なのかな?

彼女?奥さん?友人?なに?
ここまできてもまだ考えてたけど、言わなければいけないことがあるんだ。


いくんだ、勇気を出せ!今しかないんだ、もう本当にこれが最後のチャンスだぞ!


「あっ、…ねぇ!少し話せますか?と言うか話したいから時間ください。」


本当の自分と向き合う。

彼女たちは、折れたあたしの心を支え導いてくれた。

高校からの付き合いで一番にお互いの事を思いあう、親友であり恋人のような存在。
お互いの幸せを願い、一緒に悩み一緒に笑い、そして一緒に生きている。
どれだけあたしが”くまさん。”の事を思い、苦しみ、そして今と言う瞬間を願っていたか一番理解している。だからこそ、こんなに苦しい思いをさせる彼に苛立ちもあった。
本当はあたしを大切に思ってくれる人と一緒にいてほしい、そんな出会いをしてほしいと願っていたが、あたしの思いの強さを受け入れた。

それは信じているからだっただろう。

発表会での姿を見たときに、2人とも泣いてくれていた。
あたしの願いや思いは確かに何かを生み出し、それはまた自分自身の何かを乗り越え、そして自信に繋がった。

そしてようやっと同じラインで彼と向き合えるチャンスが巡ってきた。
それは運命の瞬間でもあった。
彼がアーティストでなければ何もなかっただろう。
彼が今何をして誰といるのかなんて分からない。
けれど、彼が頑張っていてその姿を見られる機会があるのは感謝すべきこと。
別れても素直に応援したいし、作品を感じたい。彼を感じたい。


そして今、京都の個展で彼と会う時間があり少しでも話す事ができた。
そこでの時間に感謝すればいいじゃないか。自分で気持ちを伝えなかったのは、その時の自分が判断した事だから。
そしてもう 「じゃあね」 と言って去ってきたじゃないか。
本当にそれでいいのか。 あたしはこの道で納得いくのかな。このまま歩いていけるのかな。
でも、どうしたらいいかわからない。

「わからない・・・わからないよ。どうしよう、どうしよう。」

そう言ってボロボロと零れ落ちる涙をとめる事は出来ず、言葉を発するのも息をするのも苦しいくらい泣きじゃくった。
それを見たクボは「そんなに泣かないで、涙が出てきたよ」と下を向いて一緒に泣いてくれていた。
そしていつも一番おっちょこちょいで、それでいて一番自分に近いヨチが口を開いた。
「どうしたい?このままじゃ終われないでしょ?」真っ赤に腫れた目は今にも涙がこぼれそうだったけれど、その奥には強さがあった。

泣いてパニックになっていたあたしはその目を見た瞬間に、はっとした。
「・・・終われない。いやだ、こんなんじゃ今まで頑張ってきた自分は納得できない。」

暗闇にさ迷っている気持ちの中から、ヨチは今のあたしに必要な意思と道を導いてくれた。
その瞬間に光がさした。


「あたし、行って来る!彼の事を考えると・・って悩んだけど、このままじゃ納得できない」

「早く行かなきゃ!もう時間無いよ!」

時計をみれば個展が終わる5分前だった。
泣き顔をはたいて、あたしはまた彼のいるところまで駆け出した。
彼に見送られて出た街は、光があっても暗闇をさ迷っているようだったが今は違う。
必死で走った。
一本の光があたしの行く道を照らしているかのようだった。



お願いだからまだ居て、お願い、お願い!

Ti Amo

・・うっ・・・・・・

大声で泣き叫びたかったが声にならない、声が出ないし吐き気もする。
全身が痺れていて、そして変な脱力感の中に強い思いが体に染み込んでいた。

ずっと閉じ込めて出さないように隠していたものが溢れ出してしまったんだ。
これが本当の自分の姿。
やっぱり大好きだよ!いや、大好きなんて言葉より言いたくないけれど愛している。
こんなに全身全霊で向き合い思える人なんていない。
”くまさん。”と出会えた事、本当に奇跡だよ。

あたしにとって、たったひとりのあなただから。

それでもここで整理つけなければいけないのか。もう本当にどうにもならないのだろうか。あたしはどうしたいんだろうか、わからない、わからないよ!

秋の京都は昼は晴れてポカポカしていたのに、夜はかなり冷え込んだ。あまりの衝撃にそんな寒さも感じられなくなり眩暈がし意識が朦朧とする中、救いの手を求めるように待ってくれている二人に連絡しようとした。
この時にようやっとその寒さか、痺れのせいなのか。ちゃんとダイヤル出来ずにいる自分に気づき、顔と手をはたいて力をいれた。

「・・もしもし、今終わったよ。どこにいる?」

「今スタバだよ。大丈夫?!すぐ行くよ!」

「大丈夫だよ。そっちに行くよ」


そう言って電話で案内してもらったが、土地勘もない為なかなか見つけることが出来ず。会えるまでに時間がかかってしまったから、場所の特定に意識が向いて少し冷静になれた。横断歩道の向こう側にクボの姿を見つけた。信号が青に変わって、お互いすぐに走って抱きしめあった。

「よく、頑張ったね!」

「うん、うん。ありがとうね」


いてもたってもいられないで状態でお店で待っていてくれているヨチのもとへ向った。
お店の中で1人ソワソワして、あたしを見つけるなり吹っ飛んできてくれた。
何も言わなくてもあたしの気持ちを察してくれていた。

そして「よく、がんばった!がんばった!」と抱きしめてくれた。


二人の暖かい手が、凍えた体と砕けかかったあたしの心を包んで助けてくれた。


テーマ : ((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタカタカタ - ジャンル : 日記

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