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さまよう塊。

S・Aを出てからは意外とスムーズに流れていて、冊子をもらったりでテンションもあがって楽しい時間になっていた。
だからこそ聞けなかった事は今聞きくしかない
あたしの知らない時間を、彼がどう過ごし今に至るのかを少しずつ聞き出していった。
それだって最大限の気を使い、自分の話を織り交ぜながら会話を進めていった。彼も最初の時より心を開いて、本音を話してくれるようになっていた。

ミクシィや他の人のブログなどで、少しだけ知っているけど・・・本人の口から聞きたい。あわよくば、その流れで今どんな状況なのか?彼女がいるのか?あたしと会ってどんな気持ちでいるのか?知りたい。早まる気持ちを抑えながら、話し方やトーン、内容など出来るだけ自然にしなきゃ。

その中で入院した時の事を話してくれた。
職業病でもある腰痛。付き合っていた時も隣にいて何も出来ない自分に虚しくて辛い思いをした。
そのヘルニアが悪化して動けなくなり入院。
大きなプロジェクトが進んでる途中で、ベットの上でミーティングをしたこともあった。
思うように動かない体でもう作品を作る事が出来なくなるかもしれない、それどころか一生この仕事は出来ないのかもしれない。いろんな思いが駆け巡り、その時はどうして自分だけこんな思いをと呪いたいぐらいな精神状態だったと。



聞いていて切なくて苦しくて、とても居心地が悪かった。彼がそんな思いで入院生活をしていて一度も顔を出せなかった。それどころか、そんな辛い時にそばにいられなかった。とは言え、あたしは彼がどんな状況か知っていた。彼の中であたしにその姿を見せる事を拒んだ。その結果違う痛みを伴った。

そして本当にタイミングだなとも思った。あたしにとってはマイナスの状況。

もしあの時、少し時間を置いてみる気持ちになったなら、あたしは入院生活を支える事ができたのかも知れない。弱っているところに誰か支えがあれば、どんな人だって気持ちが動きそうな気がする。どんなに強くいようとしても女より男は弱いから。

ずっと1人でいられるわけないじゃん。


複雑な思いで彼の話を聞いていた。
「大変だったね。でも入院して手術が出来ただけ良かったじゃん。期限が決まっていたら痛みにだって耐えられる。」

どう思ったかな。君にこの痛みがわかるか?わからないからそんな事が言えるんだ。
それかもし真意に気づいていたら、本当によく理解してくれている人だったと感じる。

あたしはたまに、会話の中でどこか逃げ場や違う意味を持たせて話すことがある。そうする事によって、相手の出方をみたり本性を引き出したいから。だからって会話トリックが上手いわけではないけれど、自分の気持ちのコントロールが出来ている時には成功率は高い。
そして段々と彼の雰囲気を捉える事ができていった。
彼もあたしのちょっと立ち入った話を理解してか上手くかわしている。


”相手の真意をつきたければ、考えさせる余裕を作ってはいけない。”

今は亡きトニ男の言葉が頭をよぎる。彼ならこの状況をどうゆう風に自分の流れにするんだろう。
あぁ、今となれば本当にトニ男にはいろんな事を教えてもらえた。そして彼の協力もあって、”くまさん。”と一緒に過ごせた。別れたあともずっと引きずっている事に対して

「お前は馬鹿だ。そしてお前を逃したあいつはもっと馬鹿だ。もったいない事をしただけだ。だからお前は他の男を見つけて楽しむべきだ。待っていても時間の無駄だ。」

その言葉は響く。人生経験の中で得た事であり、トニ男の言葉には肯ける事が多い。でも分かっていても、あたしにとって一度だと感じられる人であったから次にいけなかった。もうこんなに全身全霊で誰かを思う事もないと思うし、こんな苦しい思いをするのは今だから出来る。
この恋に終わりが来た時、あたしはもっと自由にそして素直に恋愛が出来る気がする。
そう思ってここまできてしまった。いい加減に終わらせたい。


だからこそ今、納得できるようにしなきゃなんだ。本来こんな機会なんてないんだから。
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今と記憶と未来。

かつて、彼の好きな餃子だけを食べに遠出した事があった。
2人でいるのが楽しくて幸せで、場所や何をしようとあまり深い意味はなかった。
プチ旅行のようで嬉しくて、運転している彼の手をずっとつないでいた。
流れるミスチルの曲を聞いてお互いの当時の話をして、懐かしがりながら少し歳の差を感じたりもした。そう言えばあの時、通り道に中古車屋さんがあって”買うならどの車がいい?”と聞いたら

「俺はあの軽のバンが欲しい!」

「何で?他にもかっこいいのあるじゃん。」

「俺は車は作品が乗せられて使いやすければなんでもいいの」

またある時、一緒に窓ガラスに貼るスモークフィルムを買いに行った。それを今の車に貼っている事にも気づいた。作品やさまざまな活動でそれなりの実績も残しているし、小さな事も含めて彼はかつて望んでいた事を徐々に実現している。


会話もあり美味しく餃子を食べている中、突然話を切り出した。

「今回、なんだか話が大きくなって迷惑かけちゃってごめんなさい。やりにくかったでしょ」

「別にいいよ。みんなそーゆう話好きだからね。でもいるとは思わなかったからビックリしたけどさ」

「いつあたしが来てるって分かったの?」

「着いてさ、みんな俺の顔見るたびにニヤニヤしてんの。なんかおかしいなと思っていたら、そのうちの1人が教えてくれたんだ。聞いた時はビックリしたよ。」

「そうだったんだー。」(じゃあ、あたしと会った時にはいるのを知っていたんじゃん。)

休憩して車に戻ると、助手席の前のところに冊子があった。
なんだろう?と取ってみると彼の作品集だった。ゴソゴソしていたのは、これを準備する為だったんだ!そう思ったらとても心が暖かくなって嬉しくてたまらなかった。

「それ、あげるよ。」

「本当に?嬉しいありがとう!」


この旅も、もう終わりへと向かっている。残りの時間に何が起こるか、起こらないか?いや、何か起こさせてみせる。

~ 糸 ~

今だけは同じ空間で、同じ時間を過ごしている。
できることならこの時間がずっと続けばいいのに・・・。

もともと人は1人で自分の歩むべき道へと常に選択しながら、導かれながら人生を送っていると思う。何かのために生かされ、またある時は突然のように絶たれる。その絡み合った人生の線の中で出会う事はお互いにとっての点になる。
運命のような必然のような。


~なぜめぐり逢うのかを私たちはなにも知らない。
いつめぐり逢うのかを私たちはいつも知らない。
どこにいたの生きてきたの遠い空の下ふたつの物語。~



果たして、この時間は自分にとってどんな意味をもたらすのかはこの時は知るよしもないが、ただ感じるのはとても大切にしなければいけない時間だと言う事。
何も知らない。それでいいんだ。
ただその時間を大切にしたいと思う気持ち。
いつもあたしは感じている。
”この時間を大切にしなければ、いつか後悔しそうな気がする”
一瞬一瞬がとても大事な瞬間であり、二度とないものだから。


休憩がてらに大きなS・Aへ立ち寄ることにした。
彼はすぐに車から離れようとせず、何やら後ろへまわりゴソゴソしているので先にトイレへ向かう事にした。遠く離れて人ごみに紛れたあたしは、もう一度振り向いて彼の姿を探した。
まだ車にいるみたいだったが、誰かと電話しているようだった。
その姿を見たときに、自分の中で何かとても切ない胸を打たれるような気持ちになった。
なんなんだろう・・・この感覚。
トイレから出て、彼の姿を探した。
タバコを吸っていた。
彼と会う時は、どこにいても一番に彼の姿を見つけることが出来た。
それでいて向こうから気づいてくれるように知らない振りをいつもしていたものだった。
この時もそこにいるのを分かっていて携帯にかけた。
どんな顔であたしの着信をとるのか見たかった。

「もしもし?どこにいるの?」

「今、タバコ吸っていたよ」

そう言って彼はこっちのほうに向かっている。
待っている場所に気づいたらしい。
あたしは相変わらず気づかない振りして電話している。
近い、もうすぐで彼が声をかけてくる。
突然目の前に現れた彼にビックリしてみる。
ビックリする気持ちよりも、いつも嬉しくてたまらなかった。

こんな事が出来るのも今しかないんだろうなぁ・・なんて。
お腹が空いたから彼の大好きな餃子を買って二人で食べる事にした。


傍から見たら普通のカップルなんだろうな。



テーマ : ( ´ー`)y-~ ふー - ジャンル : 日記

空気の流れ。

嬉しいはずなのに、精神的にも肉体的にも参るような長く続く戦い。
軽のバンでかなり飛ばしている。。。
実際には100キロくらいをキープしているようなんだけど、その運転している勢いが怖い。
早く帰りたくて猛スピードか?何なんだろうと彼の顔とメーターを見た。


「・・・早く感じるだろうけど、ずっと100キロで走っているんだよ」

「うん。この車、頑張ってるね (うわ、よく気づいたなぁ・・・。) 」

付き合っていた時からそうだけれど、お互いにとても敏感であると言う事。
何をその時に求めて、何を感じているか。伝えたいのか。
特に密室した車内での相手の雰囲気には、顔を見なくても感じるものがある。
空気の中で動く相手の目や口、顔や呼吸、そして声のトーンや雰囲気など。

それによって、益々自分の中で気がひけない時間なんだと感じるようになった。
しかし拍車をかけるよう凄まじい渋滞の末、ついには高速道路で停まった。

「停まっちゃったね~、すごい渋滞だ。疲れたら運転変わるよ!」

「いや、大丈夫。」


レッチリの曲からラジオの交通情報に変わる。
渋滞は相当長く続いているようだ。
まだまだこの旅も続くんだな。


彼は窓を少し開け、タバコを吸いはじめた。
あたしは窓を全開にして、すっかり暗くなった夜空を覗き込んだ。
渋滞している車のライトもとても綺麗に感じた。


なぜか今まで張り詰めていた時間とは変わり、自分の中で穏やかな時間が流れた。

テーマ : (´Д`;) - ジャンル : 日記

気を許すといってしまいそうだ。

あぁ、胃が痛い。しかしこの道を選んだのは自分だし、この旅の最後には笑顔で別れたい。

話せば良いじゃんと言われ、それこそ会話に困ったが・・・適当に1人で話しながら景色を見ることにした。その方が今の空気を味合わなくて済む。
高速に入って一番最初のS・Aに寄ってもらってトイレ休憩をした。ついでに、一緒に乗せてもらうので飲み物でも買おうと自販機の前で彼が来るのを待っていた。

”はぁ、どうしようかな。せっかく乗せてもらったのに苦しいよ。どんな会話をすればいいかな・・”

ぼ~っと自販機を眺めていたら、その先に彼がぼーっと立っていた。2人しかいないのに気づかなかったあたしもあからさまだが。

「わぁ、ビックリした。ちょっとさ~いたなら教えてよ。コーヒー買うからどれがいい?」

2人で車に戻ろうとした時に気づいた。
ナンバーが日付のような数字。
彼の誕生日に近いが違う。
誰の?何の数字?気になる・・・。

「誰かの誕生日?記念日?」

「あぁ、譲ってもらった車だからね。」

「ふーん、そうなんだぁ。」

一度休憩を取ったから、さっきの重い重い空気よりは少し緩んだ。
自分の中でも無理に話そうとはせずに、長い時間一緒にいることになるので適度にいこうと気持ちも楽になった。

彼も休んだ事で気を張っていたものが少し緩んだか?ポツリポツリ答えてくれたり、彼から話題を出してくれたりと車内という密室の空気も自然になった。
しかし付き合っていた頃のようなものでは決してなかったし、会話の中で触れてはいけない、あえて避けている何かを、この時にお互いに感じていただろう。


もう全てが変わったんだ。あの頃の自分達はもう、ここにはいない。


3年という月日は人生の中でみれば短いものであっても、離れた間にお互いが過ごしてきた時間はとてもとても長いものだった。その間に何度か再会はしたが、その都度それを感じさせられてきた。
今回は自分にとっての最後の賭けだった。

地元を離れ、何も無い田舎での再会。もともとは彼がそこで活動していた場所で、なぜあたしが繋がったのか不思議だっただろう。そして彼の前でやっと自分らしくいられる姿がだせた。
それは言葉では伝えられない、体で伝える表現。とはいえ踊りだって全然まだまだで、表現力というにはまだ乏しい。けれど、ここまで頑張ってきた姿を見てほしかった。
そしてそれを発表できる恵まれた環境、一緒に賛同してくれた仲間達、フラメンコを楽しみに待っていてくれた村の人たち。

人、場所、時など全ての縁が集まって、今と言う時間を作り出した。

もうこれ以上にないほど素敵な時間だった。それだけで、ある種の満足感も得られていたのも事実だった。


彼と出会って過ごした中で、生まれて初めて、”この人と一緒に人生を歩いていきたい”と感じた。
しかし、この” 時 ”の自分の感情の中にそれを描く未来は映らなかった。感じたのはただ、彼が遠いという事だった。見えない大きな壁のような重いものが、心と体を締め付けていた。

早くても4時間くらいかかる帰り道。
彼の車内に流れるのは、彼の好きなレッチリ。
心から楽しめる会話が出来なくて、考えながら話す会話には本当に体力や気力を消耗した。
ずっと流れ続けるレッチリの曲に、だんだんトランス状態になり頭がぶっ飛んでしまいそうだった。


~ 続く ~

テーマ : (´Д`;) - ジャンル : 日記

長旅の始まり。

2人で一緒に帰れることになり、天気もよくて景色も綺麗で心がウキウキした。
心配なのは帰りの渋滞。かなり混む事は予想されるし、もし運転疲れたらあたしがかわろう!

そんな思いをめぐらしながら、そういえば会話をしてない事に気がついた。と言うか、向こうから話しかけてほしかったから気づきたくなかった。それでも彼が話してこないので、ついに思い切って話しかけることにした。
最初の会話なので大事な一言だ。
話したいことや聞きたいことがありすぎて何を話せば良いか分からないが、様子見で当たり障りのない話にしてみよう。

「ねぇねぇ、あの橋は色が違うけど、場所によって違うのかな?」

「さあね。」

やはり色違いの橋を発見!

「あっ、やっぱりあの橋も色が違うよ!」

「ふーん。」

その後も途切れ途切れの会話続き・・・

「~だよね」

「・・・。」

「?」

(おーい、そんな喋ってばかりなわけじゃないのに無視ですか?)

「・・・。」

「ってかさ、何なの?怒ってんの?何で話さないの?」

「別に怒ってないよ。話せば良いじゃん」

カチーン。
話せば良いじゃんで続く会話があるかよ!分かったよ、そーゆう感じなんだ、これから先長いのにこんな空気辛くて無理。そんなに嫌なら何で一緒に乗せたんだ。まわりの目があるから?これは無いだろう?もういいよ、降ろしてくれて良いよ。まだ出たばかりだし。
背中からゾクゾクと毛が生えるかのような怒りのオーラが押し寄せたが、せっかくの時間を生かすも潰すも自分次第。とにかくここは会話のバトルの始まりなのだと、頭脳行動プレーで相手と向き合わなければいけない事を確信した。

テーマ : (  Д ) ゜ ゜ポーン - ジャンル : 日記

里山イベント物語。~最終日~

目を覚ますと朝食の準備が終わろうとしていた。

すでにみんな起きて一仕事を終えたらしく、本当に朝からパワフルだなぁと感心した。あたしはここでは完全に怠け者のようだ。
顔を洗い席につくと”くまさん。”の隣だった。

”なんだか懐かしい・・・”
朝からほんわかしてしまった。
荷物をまとめてシンポジウムを参加してみた。
彼が真剣な顔で発言をしている姿がかっこよかった。一応は考えているんだなぁなんて、そう思われたりするのが嫌だから知っている人がいるの苦手なのかな。KENさんが若手の彼に期待しているのがとてもよくわかった。

それから時間まで作品を見たり散歩したりする事にした。
電車で帰るつもりではいたが、できれば”くまさん。”の車に一緒に乗せてもらいたかった。そんな甘えはいけないと強く言い聞かせつつも心のどこかでそれを望む自分がいた。
だって結局は同じ方向に行くし、もっと一緒にいて話したかった。

この日に来た人たちは、あたし達の事を知らない人が多く
「同じ方向に行くのだから彼に送ってもらえばいいんじゃない?」と後押しをしてくた。
それに加え、知っている人たちやMAKIさんも

「大丈夫よ、自然な流れにまかせれば。」

どんな流れだか分からないが、微妙に気持ちは乗せてってもらえるのかもしれないという期待が強くなった。みんなの見えないプレッシャーのおかげか?

「どうするの?」と尋ねると

「どうするのって、乗っていく気なんでしょ。」

「えっ、いいの?!」

「仕方ないじゃん。」

・・・やった♪
そんなわけで、彼と一緒に車で帰ることになった。
みんなに挨拶して、KENさんとMAKIさんにもお礼を言った。

MAKIさんからは「そうなると思っていたわよ。頑張ってね!気をつけてね

彼の助手席に座り、みんなに手を振って出発した。
行きはみんなと来て帰りは1人のはずが、まさか本当に一緒に帰れるなんて思わなかった。
嬉しい!どうしよう!久しぶりに2人で車に乗るんだなぁ~☆なんて、この時は嬉しさや幸せ感が気持ちの大半を占めていた。


これからの迎える地獄のような時間を、全く予想していなかった・・・。

テーマ : いやっほぅ(*´∀`*)ノシ+゜ - ジャンル : 日記

里山イベント物語。~わずかな時間の幸せ~

お店に戻ると一気に人が減ったように感じた。バラバラとみんな眠りたい人は眠り、飲みたい人は飲み続けるという雰囲気。
”くまさん。”はタバコを吸い終わったらしく、席で1人ぼーっとしていた。あたしが帰ったと思っているから、ここで顔を見せたらどんな風になるんだろうとソワソワした。

自分のお酒を持って彼のところへ歩いていくと、彼があたしに気づいた瞬間の気配は感じられた。
無言で隣の席に座ってみると彼はまだ知らない顔をしているので、じっと彼の顔を見てみた。

「おっす、お疲れさま。残る事にしたんだぁ」

「おっああ、そうなんだ。お疲れ」

わざとらしくも慌てた様子の彼に、改めて乾杯とビールの缶を上げ目を合わせた。何を話そう、これからどうしよう、それがあたしの新たな戦いになるのは分かっていた。明日家に帰るまで気を引き締めながら、それでいて何があってもこの時間をかみ締めようと心に置いた。

突然彼が笑って吹いた。
「ぁあ~なんだか明日やりにくいなぁ」

「ん、何が?じゃあ、明日のシンポジウムは遠くでみているよ。気にしないで。それとも、あたし帰ったほうが良かった?」

「そんなんじゃないんだけど、やっぱりいるのといないのとでは違うよね。」

「まぁまぁ、大丈夫。ひっそりと聞いているから」

その後もいろいろ話して飲んで、みんなが部屋に戻るようで車に乗っていった。あたしの泊まっているところは、飲んだ場所の二階の部屋だから片付けをして寝た。
明日がどんな日になるんだろう。
みんなは無事に自宅に着いたようでヨチからメールがきた。

”そばに一緒にいてあげられなくてごめんね。応援しているから、悔いなく頑張ってね”

深夜のどが渇きすぎてジュースを買いに外に出ると、別の世界にきたようにひっそりとしていて真っ暗で、自動販売機のライトと音だけが小さく響いていた。
胃の中が押されるような感覚になって緊張した。誰かがいても怖いし、誰もいなくても怖い。
素早くジュースを買って部屋に戻った。

”明日の今頃は全てが終わって、家に帰って寝ているんだろう。その間にあたしはどんな気持ちで時を過ごしていくんだろう・・”

そうしてまた深い眠りについていた。


~彼と過ごす時間のカウントダウン  続く~

テーマ : +:。☆゜(*´∀`)ノ゜☆:。+゜ - ジャンル : 日記

里山物語。~つかの間の会話~

その仙人はハーレーダビッドソンに乗り、サングラスをかけて登場したちょっとイカツク変わり者のおっちゃんだった。長い白髪のあごひげにつるっとはげた頭は本当に絵に描いたような仙人だった。
癖がありすぎて、みんなと合わない為か1人でお酒を飲んでいた。
”くまさん。”の席はおっちゃんの2つ右隣だった。その間に入って座った為、話し相手のいないおっちゃんはすかさずあたし達に話かけずっとしゃべり続けていた。それも筋肉についてとか本当にどうでもいい話で、邪魔しないでくれよぉぉぉぉ!と思うほど。
他の人が気を使って仙人に話しかけてくれてるが、その人たちも会話にならないので結局素直に聞くあたし達に永遠と1人しゃべり続けた。
さすがに、あたしもそこの席に来た意味を持たなくなって虚しくなってヨチに目で合図した。

”ちょっとさ~この仙人がずっとしゃべって話せないの・・”。

”うわ、本当だ・・・”。

”参ったよ・・・どうしよう”。

時間だけが過ぎていき、帰る時間になってしまったので渋々用意をした。帰る間際にまた彼の姿を探したがどこにも見当たらなかった。多分あたし達が帰るのを知って、見送りになんて声かけたらいいのかもわからないだろうし、面倒だからか?わざと席をはずしたんだろう。

結局そんなに話せなかったなぁ・・・。

立ち尽くしてしまいヨチが心配になって覗き込んだ顔をみて、より一層不安を募らせた。

もうこれ以上辛い思いをしてほしくないよ、踏み込んでほしくないと・・。

彼女はどんな時も一番近くで、ずっとそばにいてくれた。思い続けると言う無期限の苦しみを自ら選んだあたしは、いつ心と体が壊れてしまってもおかしくない状態であった。フラメンコに出会い、いろんなことを乗り越えそれで今の感情にまで持ちこたえられるようになったのを彼女が一番よく知っている。
一時はどうなることかと思っただろうし、幸せを願ってくれている彼女をあたしは彼を思う事で裏切ってしまっている気持ちもあった。

苦しかった。そういえばあたしはいつも一時の感情で楽な方を選んでしまっていた。
思えば彼と別れる時だって、今の苦しみをずっと味わいたくないから逃げてしまった。乗り越える強さがなかった。もう会えなくても今一緒にいられれば・・と彼と体を重ねた。近くに感じられた感覚は錯覚でより一層距離を感じる事になった。
何をやっても彼の心を動かす事が出来なかった。

運命を変えることは、ほぼ不可能に近かった。

さまよう心をどう処理していいのか自分でもわからなかった。だから進むしかなかった。その結果ここにこうして彼が目の前にいる奇跡が起きた。果たしてこれが良かったのか悪かったのか分からない。ただ、その歩いている道の途中で彼と会えている今はあたしは幸せである。この先苦しくて辛い事があったとしてもこの今にかけることにした、もう全ての責任は自分にある。


一緒に電車で帰る人たちと、暗くなった道を荷物を持って目の前にあるホームまでみんなで走った。KENさん、MAKIさんとあたしも。
その途中、店の外で彼らしき人がタバコを吸ってみているのが視界に入った。


そこにいたのか・・・バカヤロウ。


笑顔でみんなを見送った後、店に戻る間にさらなる戦いをこの時感じていた。

里山イベント物語。~打ち上げ~

参加者の打ち上げはすでに始まっていた。
遅れて入ったあたしたちを見て、みんなより一層テンションがあがっていた。

「フラメンコダンサーズのみなさんの登場です!お疲れ様でした~!」

そう言って席の用意をしてくれビールを注がれた。

「あっ、遅くなってすみません。どうもありがとうございます」

「では、今一度みなさん揃いましたので乾杯としましょう・・かんぱーい!」
父親より年上の年代の方達がみんなで語り合い笑っている姿をみると、とても生き生きとしていて若々しく感じられ負けていられないなと思うほどであった。
みんな上手い事席を替えながら飲み語っている中、あたし達4人はなんだか恐縮していた。
それもお酒の力が働き、みんなの気持ちもリラックスできて写真を撮ったりお礼を言った。是非来年もと言われたが、何があるか分からないのでタイミングがあえば是非また参加させていただきたいと伝えた。

そんな中、あたしはどうしても”くまさん。”が気になって仕方なかった。もうすぐ電車もきてしまうから少しでも話したいな・・。そんな事を考えているから酔うに酔えず、話も上の空で変な焦りが心を締め付けていた。

その時、彼と目が合った。
”わっ”、お互いがそんな顔をしてしまった。見ている事を知られないようにしていた視線がぶつかった瞬間に、どうしていいかわからなくなった。何も無かったように自然に目をそらしたが、心の中では暴れたくなるほど嬉しくそして大好きだという核心がしっかり残ってしまった。

お風呂に一緒に入った女性とその助手の男の子が帰る支度を始めた。もうそんな時間なんだな・・。帰り際に名刺を渡され、何かあったら是非踊ってほしいと言われた。すごく嬉しい反面そこまでの技術が今のあたしには全然なくて、今のままで人前で踊る事に慣れすぎてはいけないと歯止めを利かせている自分もいた。でも必要とされれば踊りたい気持ちは強くあった。
見習いの彼は来年イタリアに留学するらしく、頑張って楽しんできてねと応援し2人と笑顔で見送った。後からヨチに聞いた話、この彼はあたしに少し興味をもっていたらしい。

「彼女すごく明るくて、笑顔で前向きでいいですね・・」

そう言ってチラチラあたしを見て、ヨチと2人であたしの話をしていたらしいが、その彼は積極的じゃないタイプだったみたい。帰り際も何か話したそうだったらしいが、全然気づかなかった。ありがたい話です。

そして彼の隣の席が空いた!誰とも話していない、どうしよう、今行くしかない!勢いであたしは彼の隣の席に行った。隣に座ったのを気づいたくせに、まだ気づいてない振りをするので、トントンと肩をたたいた。おおっ、わざとらしくも慌てた様子の彼に、乾杯とビールの缶を上げ目を合わせた。

「お疲れさま。」
「うん、お疲れさま。」

「フラメンコ観れたね!発表会の時に観に来なかったし、絶対に観てほしかったの。でも実現出来て良かった」
「まあね、かなり強引だったけどね」
「まぁまぁ、そういえば先月のあの作品観に行ったんだ!ほらっ」
そう言って彼の作品を撮った写真を見せて、さらにイタリアでの彼の作品の事も話した。あの時は近くにいたのに、見つける事が出来なかった。
酔っていたせいもあって、どんなに好きだったかをアピールしてしまいたくなるほど気持ちが溢れてしまいそうだった。

しかし、仙人によって一気に酔いもさめることになった。

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