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ふたりの会話 ~立合い~

お互いずっと見つめ合っていた。
と言うより、目をそらせなくなっていたのかも知れない。彼にはかわいそうな事をしてしまったが、あたしは言い放って少しスッキリしてしまった。


少しして、彼が下を向き空を見上げた後にあたしに視線をあわせて言った。


「わかった。気持ちは伝わった。けど、どうしようもない事もあるんだよ・・」
はっ!!どうしようもない事?!そんな曖昧な返事ではわからないよ。

「どうしようもない事って?ハッキリ言ってくれないとわからないんだけど」
勝手に引き止めて告白しておいて逆ギレ気味のあたし。


「じゃあさ、俺の立場も考えてもみてよ。今、俺は個展の最中なんだ。」

「分かっているよ。本当に悪いなと思っているよ、せっかくの個展で京都にきているし、こんな寒い中で風邪ひいたら大変だし・・。本当にごめん!でも、もうこれで納得するから」

「うん。でもね、人生にはどうしようもない事があるんだよ。どうしようもないって言うと悪く聞こえるけど、どうにもできないこと。」
分かるけど、わかるけどわかりたくない。やだ!

「じゃあ、この(あたしの)ケースはどうしようもない事ですか?」
ちょっと無邪気めに問いかけてみる。

「・・・うん。」
うそだ!本当に心の奥からそう思っているの?

「あたしじゃ一生無理?今が無理なのではなくて、一生ダメ?」
この際もうグイグイ押してやる。


「そんな・・一生だなんて。全否定な・・。」

ここまで言わないとなんか納得できない。別に自分が傷つくのは構わない、このくらい辛かった時期を考えれば大した事ではないし。


「一生ダメなの?そうじゃなきゃあたしずっと好きだよ。言っちゃいなよ、決めちゃえば楽になるから」
あたしってば、暴走しだして訳分からない脅ししているよ。



自分の事なのになんだか他人事のようで、そんなあたしを見て”くまさん。”は戸惑っていた。
そりゃそうだ、人を全否定するほど自分はすごい人間なのかと普通は考えてしまうものだ。
あたしも意地悪なので、それを口にさせる事で彼の意思の強さを確認したかったところもあったし、自分への”もうダメなんだよ”って受け止めさせたかったんだ。
あーめんどくさい女だね。でも仕方ないじゃん。


そして彼は少し間をとってから口をひらいた。


「・・・うん。一生かわらないよ」
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