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たどりついた21の世界。

”どっちの出口に降りるんだろう・・?”

降りる予定の出口の案内が出てきて”くまさん。”の顔を見てみた。
口元に手を置いてどうしようか考えている様子。
そんなに大差ないのだけれど、結局彼は彼の家の近くの出口を選んだ。
そしてその出口を選ぶ事によってこれから通る道は、お互いにとっても思い出深い場所を通る事になる。当の彼はそんなこと考えもしないだろうし、早く帰りたいの一心だったと思うけど。

里山を出発してから、8時間が経過していた。
その中での会話をまとめると2時間にもならないかもしれない。
ほとんど無言の車内で、考えながらの会話は本当に疲れた。運転をして疲れたほうがまだましだった。こうなる事も予想ついていて、それでも強く望んでいたのは自分自身。

今までの長い長い月日を思い出せばこの時間は”今までの自分””今の自分””これからの自分”全てに意味がある事だと感じている。
それに巻き込まれた人達、そして重要人物として隣に座るあなた。みんなごめんなさい、そしてありがとう。これが最後のワガママだと思って、神様がくれた時間なのかもしれない。


みんなが背中を押して後ろで支えてくれる。
彼が一歩前に立って、それを受け止めてくれる。
自分の歩くべき道へとみんなが手助けしてくれているような気がした。



出口を降りた景色は旅行から帰ってきたような気分。
”遠く離れた場所で現実から離れたような感覚から、いつも過ごしていた場所へ戻ってきた。”
旅行していた事は夢じゃなくて現実なんだけど、現実から離れた事によって味わえる感覚。限られた中での時間の使い方。



3年前と外の景色は変わらないのに、こんなに近くであの時と変わらないのに、全然違うんだと腹の底から感じる。


懐かしい・・ただ、今はそう思わせてほしい。
分かっているけど、やっぱりあなたが大好きだった。
本当に大切だった。
そんな人に出会えてよかった。
あなたと過ごした時間があってよかった。
あたしは確かに幸せだった。
ありがとう。


彼の顔を見ると泣きそうになるけど、今しか彼の顔をこんな近くで見れないと思うと強く自分の目に焼き付けていた。


駅が見えた。

あぁ、ついに別れの時がきたんだ。長い旅も終わっちゃうんだな。


彼が車を停めた。

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